パイオラックス、車部品の生産再編、地産地消にシフト

米中摩擦・英EU離脱対応

 パイオラックスは米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)に対応し、生産体制の再編に乗り出す。中国工場(東莞市)から米国に輸出している自動車部品の一部を米国工場(ジョージア州)に2019年をめどに生産を移管する。英国からEUに輸出する部品はEU地域で在庫を積み増しており、19年3月末以降は提携企業への生産委託も検討する。通商問題が経営リスクとなる中、“地産地消”を進めて事業環境の安定化を図る。

 パイオラックスはこれまでホースクランプなどの自動車部品を中国工場で大量に生産していた。低コストで生産できるだけでなく、現地の自動車メーカーへの供給量も大きかったためだ。ただ近年は中国の自動車市場が減速傾向にあり、成長速度は鈍化。加えて、米政府が今夏に発動した中国からの輸入製品に関税を課すことになった影響で「このままだと年間約1億円の実害が起きる」(島津幸彦パイオラックス社長)という。貿易摩擦は長期化する可能性があるため、米国工場に生産移管を決めた。数億円を投じて米国工場にホースクランプや、金属ファスナー用の熱処理炉を新設し、1月から順次、生産を移管する。

 また、パイオラックスはEU地域への部品供給では、英国工場(ランカシャー州)が主力拠点。自動車用ファスナーや開閉機構部品などを手がけ、取引のうちEU向けが6割、英国内向けは4割を占める。そのため、ブレグジットによる通関手続きや規制などが発生すれば、販売や物流に深刻な打撃をもたらす恐れがある。

 すでに営業拠点などに対して、在庫の積み増しを指示している。さらに19年3月末以降は提携する仏レイモンへの生産委託を検討し、コスト競争力を保つ狙いだ。レイモンは工業用ファスナーを生産する同業メーカーで、互いの未進出地域で相互に生産委託して事業を拡大する目的で、パイオラックスと提携している。

日刊工業新聞2018年11月13日

  

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