RPAで年450時間削減した東大阪の中小企業、成功のコツは「スモールスタート」

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RPA導入に向けて詳細な打ち合わせを行った(19年)

ペンチやニッパーなどの作業工具を製造販売するフジ矢(大阪府東大阪市、野崎恭伸社長)は、2019年6月にRPA(ソフトウエアロボットによる業務効率化)を導入した。生産性向上の取り組みとして製造現場のロボット化も試みたが、「RPAの方が取りかかりやすく、効率化しやすかった」(野崎社長)。導入により年間450時間の作業時間を削減できた。

まずRPAに置き換えたのは生産実績の日次更新の業務だ。日々の生産や売り上げの実績などをまとめる際、従来は基幹システムからデータを抽出してエクセルで編集後、関係者にメール配信していた。同様の作業を伴う他の約15項目も順次RPA化していった。

使用するRPAツールは、NTTデータの「ウィンアクター」。導入に当たりシステム課を社内に新設し、4人がRPA化に携わる。経理システム部の中幹喜システム課長は「RPAはピンポイントで自動化できる。『身近な作業の中で少し気になるところをRPAにしてみよう』とスモールスタートできた」と振り返る。

RPA導入前に取り組んだ製造現場のロボット化では「多品種少量生産品を扱うことが多いため、ロボットの切り替え作業などで人手が必要となり、コストが合わない」(野崎社長)課題があった。

21年度はこれまでの作業時間の削減実績に加え、新たに500時間の削減を目標に掲げる。主に受注業務における定型作業のRPA化に乗り出す。「受注業務のRPA化が実現すれば250時間ほど削減できる」(中課長)と試算する。

RPA以外にも米マイクロソフトの職場向け協業アプリケーション(応用ソフト)「チームズ」や、サイボウズの業務改善プラットフォーム(基盤)「キントーン」も導入し業務効率化を進める。野崎社長は「一連の取り組みは経営判断のスピード化と情報の共有化の側面で特に役立っている」と手応えを示す。(東大阪・新庄悠)

日刊工業新聞2021年2月17日

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