材料×情報で素材メーカーとの研究開発加速!トヨタの新プロジェクト「データコンサル」とは?

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トヨタ自動車は素材メーカーなどの研究開発のデジタル変革(DX)を加速させるデータコンサルティング事業を始めた。実験データの解析や蓄積管理、データ活用を技術支援する。伴走して顧客企業での人材育成にもつなげ、材料開発に人工知能(AI)技術などの情報科学を用いるマテリアルズ・インフォマティクス(MI)を普及させる。MIは素材大手が取り組むものの、産業界への普及はまだ途上にある。トヨタが旗振り役になることで普及が加速する。

データコンサルティング事業によるMI支援は、トヨタの新事業開発プロジェクトの一つ。これまで無償でサービス提供しており、既に磁石やゴム、触媒などの開発で実績がある。このほど有償での提供を始めた。2021年度は10社程度への提供を計画する。

材料開発の実験データをAI技術や情報処理に適した形で加工し蓄積、活用する。トヨタはデータ蓄積や解析ツールを備えたクラウドサービスを提供した上で、同社の技術者が伴走し、顧客がデータを蓄えるシステムや組織文化を整えるのを支援する。3カ月1サイクルを想定。実際にMIでデータから知見を引き出し、この過程で顧客企業の人材育成につなげる。

MIでは、AIや統計処理などのデータ活用を代行する事業者が出てきている。ただMIの普及には、データ活用以前にデータの蓄積や前処理に課題があったという。素材メーカーなどでは個々人がデータをそれぞれのフォーマットで保管することが多いが、トヨタのクラウドサービスによってこれを一括で保存。データを死蔵させない体制を整える。

トヨタの材料研究は先端を走るが、素材メーカーにとっては直接的な競合にならない。そのため中立的な立場から業界のDX支援を進められるのがメリットとなる。

日刊工業新聞2020年2月8日

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