低価格競争と一線を画すコマツ、中国で30トンクラスのハイブリッドショベル投入へ
コマツは2021年度(22年3月期)に、中国市場で30トンクラスのハイブリッドショベルを発売する計画を明らかにした。大型土木工事で燃費を重視する顧客に販売する。中国はコロナ禍の影響をいち早く脱して建設機械需要が伸びており、現地大手の三一重工や韓国の斗山インフラコアなどが安価な製品で販売台数を増やしている。コマツは低価格競争と一線を画し、20トン以上の中大型機に注力すると同時に低燃費の高付加価値品投入で差別化する。
コマツは中国の20年度の建機需要について、20年10月時点で前年度比60―70%増としていた予想を70―80%増に上方修正した。ただ、これは安価なミニショベルも含めた台数ベースの数字で、金額の伸び率は台数よりも低い。「廉価機種を発売しても競合がすぐに追随してくる状況で、効果は短期間しか持たない」(小川啓之社長)。こうした背景から、高い技術で他社が安易に模倣できない中大型機種と部品販売に注力する。ハイブリッドショベルは1、2年前から中国でユーザーテストをしており、おおむね好評のため実販売に踏み切る。
コマツは08年に世界で初めてハイブリッド油圧ショベルを開発、発売した実績を持つ。旋回モーターやキャパシター(蓄電器)とディーゼルエンジンの併用で、通常ショベルと比べ約25%の燃費低減を実現。欧州を中心に世界で5000台強を販売している。中国は公共工事プロジェクトなど大型案件が多く、30トンクラスの燃費改善効果をPRしやすいとみている。
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日刊工業新聞2021年2月5日