リチウム電池駆動ショベル、コマツが早期展開する狙い
コマツは次世代型の電動ミニショベルを、2022年度に欧州市場へ投入する計画を明らかにした。20年4月に国内限定でレンタル投入した現在の電動ミニショベル「PC30E―5」はフォークリフトの電源を応用した鉛バッテリー式。次世代型はこれをリチウムイオン電池(LIB)に置き換え、出力不足と重量の問題を改善する。欧州では環境規制強化の機運が高まっており、ショベルも電動化の流れが進むとみて早期展開を図る。
電動ショベルはディーゼルエンジンのショベルに比べ、排ガス発生がゼロで騒音も小さい。国内で数台を試験展開中のPC30E―5は、産業廃棄物処理業者、都市土木業者、解体事業者向けにレンタルしており「建物内で作業する産廃業者からはクリーンで静音との好評価を得ている」(小川啓之社長)という。
22年度に投入する次世代型電動ミニショベルは、LIBの使用とともに、量産化によりコストを極力引き下げる。LIBは電池メーカーから調達し、車体制御やバッテリーマネジメント技術で差別化を図る。
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日刊工業新聞2020年12月7日