昨年の中国新車販売、トヨタとホンダが過去最高に。今年は?
環境規制で日系メーカーに追い風
日系自動車メーカー6社の2020年の中国新車販売台数は、前年比1・6%増の約520万台だった。トヨタ自動車やホンダは19年に続き過去最高となった。中国市場全体の販売はコロナ禍の影響で同1・9%減少した。21年の新車需要は地方政府の消費刺激策の継続などにより、同数%の増加が見込まれる。ただ足元の半導体不足による減産影響の広がりが、先行きの不透明要因となっている。
日系各社の20年の中国新車販売はトヨタが同10・9%増の179万7500台と、8年連続で過去最高を更新した。同社もコロナ禍の影響で事業が停滞したが、20年2月末時点で9割を超える販売店が開業し、オンラインでの営業活動を継続。現地生産も2―3月の比較的早い時期に随時稼働を再開した。新型車を中心にセダン「カムリ」やスポーツ多目的車(SUV)「RAV4」などの販売が好調に推移。北京市や広州市など各地で開かれたモーターショーも「営業活動に勢いがついた」(同社広報担当者)とする。
ホンダは同4・7%増の162万6972台と、2年連続で過去最高となった。セダン「アコード」やSUV「CR―V」など主力3車種の販売台数がそれぞれ20万台を超えた。またハイブリッド車(HV)車の販売は20万1499台と過去最高を記録した。
一方、日産自動車は同5・8%減の145万6738台、マツダは同5・8%減の21万4574台と、4社が前年割れとなった。
中国汽車工業協会によると、20年の中国全体の新車販売は同1・9%減の2531万台だった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた20年2月の前年同月比79・1%減を底に、4月以降前年実績を上回ったが、1―3月期の減少を補えなかった。
車種別では乗用車が同6・0%減の2018万台、商用車が同18・7%増の513万台だった。電気自動車(EV)など新エネルギー車は同10・9%増の137万台だった。
21年の新車販売見通しについて、同協会は同4%増の2600万台を超えると発表した。野村証券は同8・6%増と予想。環境規制でHVの優遇が見込まれ、強みを持つ日系メーカーに追い風とみる。半導体の供給不足については14日付のリポートで「需要のピークを過ぎる春節(2月)以降、中国の自動車用半導体不足は改善に向かうとみている」と指摘。22年3月期の業績に大きな影響はないとの見方を示した。
20年12月の日系6社の中国新車販売は同17・2%増の約59万台と、8カ月連続でプラスとなった。トヨタは4月から9カ月連続、ホンダは7月から6カ月連続で単月として過去最高を記録した。