TSMCが5月に半導体2割増産計画も材料調達に不安

車載用不足に対応

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TSMCの製造現場(同社公式サイトより)

半導体受託製造(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が2021年5月から先端半導体を従来比で20%増産する計画が分かった。全世界で自動車向けを中心に半導体不足が深刻で、日米欧など主要国政府も台湾当局に協力を要請した。21年後半まで品不足問題は解消しないとの見方が多く、最大手の増産は車減産の広がる自動車産業にとって吉報となりそうだ。

TSMCは先端半導体を製造する台湾の複数工場で5月からの増産を目指す。製造に必要な材料などの現地サプライヤーへ協力を要請しているものの、急な供給量増加の注文に対してサプライヤー側が設備などの制約から要請に応じられるか不透明な部分も残る。増産の実現にはまだ曲折あるもよう。

半導体大手の蘭NXPセミコンダクターズやスイスのSTマイクロエレクトロニクスなどがTSMC中心にファウンドリーへ生産委託する車載用半導体の供給不足が自動車業界の“減産ドミノ”を引き起こした。20年後半から中国などで車販売が急回復。新型コロナウイルス感染拡大によるIT・巣ごもり特需に加えて、第5世代通信(5G)の本格普及も重なって、需給バランスが崩れた。

すでに独フォルクスワーゲンやトヨタ自動車、米フォード・モーターなど世界大手が軒並み減産を強いられており、各国政府も基幹部品の確保へ支援に乗り出した。

ファウンドリーにとって車載用半導体は手間がかかる点も問題の遠因のようだ。自動車向けはスマートフォンなどと比べて1製品当たりの生産数量が少ない一方で、高い安全性が求められ品質・検査要求が厳しくファウンドリーにとって“うま味”が薄いといわれる。今回の半導体不足はサプライチェーン(供給網)の構造的問題も顕在化させた。


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