半導体で“日台連合”実現か?受託生産最大手のTSMC、つくばに開発センター新設へ

北九州市にも工場建設を検討

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25年をめどに日本での工場建設を検討(台湾のTSMC本社工場)

半導体受託製造(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が、2021年内にも茨城県つくば市に先端半導体製造の技術開発センターを新設する計画が分かった。日本の製造装置・素材メーカーと共同開発に乗り出す。また、北九州市を有力候補として25年をめどに工場建設を検討する。日本政府も支援する。第5世代通信(5G)や人工知能(AI)に使う先端半導体は米中貿易摩擦の主戦場であり、関連産業の強い日本の立地優位性が見直されつつある。

TSMCはつくば市に先端半導体の微細化やパッケージ技術の共同開発拠点をつくる。東京エレクトロンやSCREENホールディングス、信越化学工業、JSRなどが参画するとみられる。また、産業技術総合研究所(産総研)や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)も協力する。

拠点内にパイロットラインを構築し、さらなる微細化に必要な成膜・洗浄技術のほか、チップを積層する3次元(3D)パッケージ技術などの開発を順次始める。それぞれ25年をめどに実用化を目指す。政府も経済産業省が20年度第3次補正予算案で積み増した「ポスト5G」基金などを通じて日台連携を後押しする。

TSMCは日本で初めてとなる半導体工場の建設も検討する。北九州空港跡地の産業団地などが立地候補に挙がる。ただ、巨額の設備投資が必要な半導体製造の前工程か、パッケージなどの後工程になるかは今後計画の詳細を詰める。

TSMCは現在、米国アリゾナ州でも先端半導体工場計画を進めている。激化する米中の技術覇権争いを背景に、トランプ政権の強い要請に応える形で工場進出を決めたと言われる。20年11月の米大統領選挙で民主党のバイデン前副大統領が勝利したことで、同社の計画に不透明感が漂う。日本への工場進出計画にも影響しそうだ。

最近は同業で中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)が急速に力をつけてきた。ライバルを突き放したいTSMCと、先端半導体を国産化して米国などと対中包囲網を形成したい日本の思惑は一致している。


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日刊工業新聞2021年1月7日

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