御堂筋線の混雑回避に大阪メトロが「オオサカポイント」付与!
大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)は通勤などで混雑する時間帯や路線を避け、地下鉄を利用した乗客に対して同社の地域ポイント制度「Osaka Point(オオサカポイント)」を付与するサービスの実証実験を2021年度にも始める方針を固めた。今後詳細を詰めるが、具体案の一つとして大阪市都心部の大動脈を走る「御堂筋線」の混雑回避を狙いに、同線と並行する「四つ橋線」の利用者へのポイント付与を検討する。
オオサカポイントを使った混雑回避策に関し、大阪メトロの河井英明社長は「利用平準化を提案することで社会生活の変化を促すきっかけとなる」と期待を述べた。予約状況に応じて最適ルートで運行するオンデマンドバスとの連携も検討しており、鉄道だけでなくバスの活用も進める方向だ。
ポイント付与の具体的な時間帯については未定だが、通勤時で最も混雑する7時―8時前半を避けた時間帯を想定する。オオサカポイントは、買い物100円につき1ポイント、交通利用では乗車運賃の1%または0・5%が付与される。
鉄道各社は鉄道事業のコスト削減を目的に、混雑時間帯に運賃を引き上げる「時間帯別運賃」の導入を相次ぎ掲げるが、国土交通相の認可が必要で導入には一定のハードルがある。大阪メトロはまず、ポイント付与制度を始めて、時間帯別の利用者の分析や利用平準化を検証する。JR西日本も4月からラッシュ時間帯を避けた利用者へのポイント付与サービスの提供開始を発表している。
日刊工業新聞2021年1月21日