「生産が追いつかないほどの受注がある」。半導体製造装置向けが好調の日本トムソン

日本トムソン社長・宮地茂樹氏インタビュー

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直動案内機器(同社公式サイトより)

―2021年4月に新中期経営計画がスタートします。

「急ピッチで策定作業を進めている。今回は課長クラスの若手が取りまとめる。経営陣として決定したわけではないが、若手が挙げた『深化・挑戦・変革』をキーワードにしたい。既存ビジネスをさらに磨くほか、新領域への展開や変えなければならない部分もある。デジタルデータの活用などは若手こそ強く認識している」

―新型コロナウイルス感染症が収まりません。

「20年2月に対策本部を立ち上げ、これまで100回以上対策会議を行った。20年は設立70周年の節目だったが、パンデミック(世界的大流行)で社員の安全・安心や事業の継続に取り組んだ1年になった。事業は景気後退の影響を色濃く受けたが、足元の受注は8月を底に10月から驚くべきスピードで受注が入っている。それでも事業環境は新型コロナに委ねられている。21年を見通すのは難しい」

―半導体製造装置向けが好調です。

「生産が追いつかないほどの受注がある。半導体メーカーの投資が本格的になされているのが背景。サーバー需要が増加するほか、第5世代通信(5G)の基地局もますます設置される。自動車に搭載する半導体も大きな成長が見込まれる。21年は期待している」

―技術開発型企業であることが強みです。

「新中計期間では技術部門の進化に取り組む。20年には若手技術者が研究の進捗(しんちょく)状況を社内でアピールする『イノベーションフェア』を実施した。新技術の開発はなかなか難しいが、若手がチャレンジしやすい環境を作り、ビジネスの成長や新領域の開拓につなげたい」

―社員の処遇も改定します。

「4月に新人事給与制度をスタートする。年功的な色彩が強い人事や給与だったが、成果や責任に基づく処遇に変更する。頑張った社員にはそれだけインセンティブが働く。風土や意識を変える必要があり、向上心が高い組織にする」

日本トムソン社長・宮地茂樹氏

【記者の目/軸受・直動機器事業再興に期待】

21年3月期を最終年とする現中計の目標達成は新型コロナの影響もあり難しくなった。ただ売上高1000億円、営業利益150億円を掲げる長期ビジョンは堅持。達成には工作機械や一般産業機械向け需要の回復が待たれる。生活の維持に欠かせない「エッセンシャルビジネス」と位置付ける軸受や直動機器事業の再興を期待したい。(川口拓洋)

日刊工業新聞2021年1月18日

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