NTTコムがM&Aで狙うターゲットは「DXで社会課題を解決するスマートワールド」

NTTコミュニケーションズ・丸岡亨社長に聞く

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NTTコミュニケーションズ公式サイトより

―2021年の経営環境は。

「一番(影響が)大きいのはコロナ。いつ収束するかだ。米国では大統領が交代するが、中国との関係は一度に改善する雰囲気でもない。国際的な緊張感はまだ続くだろう」

―情報通信技術(ICT)投資の動向はどうなりそうですか。

「顧客の業界によって差がある。(航空など)人の移動に関するところは経営が非常に厳しく、投資全般を先送りする場合もある。ただ、そういった業界でも経済が回復したときを見据えて、必要なデジタル変革(DX)の投資をやっていきたいという声もある。さまざまな調査を見ても、大きな落ち込みがあるというよりは、ポジティブな数字が出ている。そうした傾向が継続するのではないか」

―NTTがNTTドコモを完全子会社化しました。ドコモとNTTコミュニケーションズの連携強化に関する検討も進めています。

「前向きに受け止めている。NTTは固定(通信)とモバイルの融合の重要性を盛んに言っており、これは顧客からも求められることだ。ドコモとの具体的な連携の仕方はまだ決まっていないが、ビジネスの進め方についての協議はしている。お互いの事業の理解を深める中で、これまでよりもコミュニケーションが取りやすくなった感じはする」

―政府が9月1日にデジタル庁を発足予定です。事業機会の拡大につながりますか。

「日本全体におけるデジタル化の遅れがコロナで明らかになった。企業のデジタル化もどんどん進む方向になるだろうし、政策そのものは大賛成。データ活用基盤やセキュリティーといった当社の事業の営みは、デジタル庁が求める施策と一致する面もあり、貢献できるようにしたい」

―M&A(合併・買収)の考え方は。

「主に(DXやICTによって社会課題を解決する)『スマートワールド』領域がターゲット。そういう事業を展開する際、時間を買うとか、優秀な技術者をどれだけ確保できるかといった観点も含め、相手の能力が非常に魅力的であれば、買収も考えていきたい」

記者の目/法人営業力に磨きを

NTTは傘下のNTTコミュニケーションズ(NTTコム)を、2021年夏にもNTTドコモの子会社とする案を検討している。ドコモは個人向け携帯通信の値下げで収益源多様化の必要性が増しており、NTTコムの法人営業力は武器になりうる。NTTコムはそうした強みに磨きをかけつつ、社外連携を推進できるかが問われる。(斎藤弘和)

NTTコミュニケーションズ社長 丸岡亨氏

キーワード
デジタル庁 ICT DX

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