富裕層×資産形成層?大和証券とクレディセゾンの資本提携の狙い

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クレディセゾンと提携 資産形成層の開拓推進

大和証券グループ本社は2019年9月にクレディセゾンと資本業務提携を結んだ。両社はとそれぞれ異なる顧客層を持ち、顧客基盤が補完関係にあることから互いのノウハウを生かしてオープンイノベーションを推進する。大和証券グループ本社の吉田光太郎経営企画部長に提携の戦略を聞いた。(高島里沙)

―協業の狙いを教えて下さい。

「ともに独立系大手のため、系列グループに左右されることなく金融サービスを提供できる。クレディセゾンは資産形成層を中心に約2600万人のクレジットカード会員を持つ。高齢者や富裕層がメーンの当社だけでは若い資産形成層にリーチすることは難しい。両社は補完関係にあるため、既存商品の相互送客を推進している」

―どんな取り組みを進めていますか。

「クレディセゾンのカード会員に資産運用サービス『ダイワファンドラップ オンライン』や個人型確定拠出年金(iDeCo)を紹介している。また、当社子会社のCONNECT(コネクト、東京都中央区)がクレディセゾンの共通ポイント『永久不滅ポイント』を運用できるポイント投資を始めた。たまったポイントの運用であればハードルは低く、投資ニーズの喚起につながっている。20年11月に会員の条件を満たす顧客向けに『大和証券セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード』の提供を始めるなどサービスに付加価値を付けた」

―新たな協業の仕組みも進行中です。

「子会社のフィンターテック(同千代田区)は20年2月にクレディセゾンの出資を受けた。仮想通貨を担保にしたローン事業や『投げ銭システム』を展開している。事業者が独自の投げ銭サイトを簡単に作成・公開でき、ラジオ番組やゴルフ大会、オンライン祭りなどで投げ銭システムを提供。コロナ禍での社会支援の一環として今後も取り組み続ける」

―今後の展望は。

「証券を担保に融資する証券担保ローンは提供しているが、一般的なローン事業も展開できたら良いと思う。当社の顧客には法人や中小企業のオーナーも多いため、次世代への事業承継に対する助言や運転資金の融資など金融サービスの提供も検討したい」

大和証券グループ本社経営企画部長・吉田光太郎氏
【チェックポイント/生活密着、自由な発想学ぶ】

証券会社では買い物など生活に関連する資金に接することはないため、生活密着型のクレディセゾンと組むことで「マーケティングに関する自由な発想など学ぶことが多い。有機的な結合を生み出すだろう」(吉田経営企画部長)と期待する。実際に提携以降、金融商品仲介や投げ銭システム、カード発行など取り組み内容は多岐にわたる。「貯蓄から資産形成へ」と言われる中、両社の知見を合わせた新サービスのさらなる創出を目指す。

日刊工業新聞2021年1月12日

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