大和証券のSDGsは本業に絡めて「自分ごと化」で推進!

全社巻き込み“自分ごと化”

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【ビジョン策定へ】

大和証券グループ本社では、この4月に田代桂子副社長が新設のSDGs(国連の持続可能な開発目標)担当に就任した。同社では2018年にSDGs推進委員会を設置するなど早期から取り組み、現在は30年に向けて10年間のビジョンを策定中だ。田代副社長は「全社員を巻き込んでSDGsを本業として実現していくことと、自分ごと化するという2点が大きな課題であり、取り組んでいきたいことだ」と力を込める。

大和証券は08年に日本で初めて発展途上国の子どもに医薬品を提供する「ワクチン債」を販売するなど先駆的な存在だ。インターネット取引部門の部長だった田代副社長は、インターネットを通じてのワクチン債の販売を考えていたが、当時社長の鈴木茂晴氏が良い取り組みなので全社を巻き込もうと支店での債券販売に至った経緯がある。「証券会社もこういうことができるんだという意識の芽生えになった」と振り返る。

【人材育成課題】

SDGsについて証券会社の本業として取り組む内容は多岐にわたる。大和証券ではアナリストによる企業の分析リポートについて、SDGsやESGの取り組み内容についても書き込むようにし、徐々にそういったリポートの会社数を増やしている。ESGではアナリストとしての資質だけでなく先をみるビジョンが必要で、能力や経験値が求められる。そのためアナリストのESG対応に向けての人材育成も課題に上る。

【金融商品充実】

また株や債券を販売する際にも企業のSDGsに関する将来ビジョンを訴求し、投信信託の組成など金融商品の充実も図る。

国内では、石炭火力の休廃止に向けての検討など二酸化炭素(CO2)排出量の削減に向けての動きが進む。世の中の流れをうけて、田代副社長は「環境対策の実現に向けて資金をどうやって集めるかが、特に日本においては課題の一つだ」と分析する。債券の発行体である事業会社に対して、開示情報の必要性を説いたり、海外の先例を参考にアドバイスしたりしてより多くの投資家から資金を集められるようにする必要がある。

18年度から社内におけるSDGsの活動も活発だ。全国から有志で100人以上の社員が集まり、“自分ごと化”をテーマに個人や支店ベース、法人として何ができるかをグループに分かれてディスカッションに励む。30年に向けてのビジョンにも社内の意見を取り込んでいく予定だ。

有志社員によるディスカッション(SDGsワーキンググループ)

日刊工業新聞2020年8月7日

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