「従前受注」からの脱却を狙うSCREEN、投下資本利益率で企業文化は変わるか

SCREENHD社長・広江敏朗氏に聞く

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SCREENホールディングス公式サイトより

―半導体製造装置事業(SPE)の足元の受注状況と4月からの来期(2022年3月期)の見通しは。

「台湾、中国向けを中心に足元の引き合いはかなり好調。リモートワーク進展効果などがあり、第5世代通信(5G)や人工知能(AI)をキーワードに、ファウンドリー(半導体受託製造)からの好調な風が波及している。相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサーやDRAM投資の話も聞こえ、来期はもう少し強含みで(需要が)出てくるとみる」

―他の事業は新型コロナウイルス感染症の影響を受けています。

「印刷機器事業(GA)やディスプレー製造装置事業(FT)は厳しい。GAは各国のロックダウン(都市封鎖)などマクロ経済の影響を受け、印刷物が大幅減。FTは他の日本メーカーが、海外での装置立ち上げのための技術者派遣が遅れ、当社にも納期のずれが生じている。プリント基板関連機器事業(PE)は、米中貿易摩擦に起因するサプライチェーン(供給網)変更の余波を受けている。引き合いはあるが、顧客が投資タイミングを見計らっている状況だ」

―米国の新政権が発足します。

「米中摩擦に対して(新政権の方が)論理的な枠組みで対策が打ち出されるとみる。事業にどう影響が出るかは予想できない。出てくることに対して適時対応するしかない」

―事業会社の評価指標に投下資本利益率(ROIC)を導入します。

「企業文化自体を変えることになる。引き合いや売り上げをベースに営業利益を作ってきたが、違った目線で効率を問う。効率化で得られるキャッシュを、新規事業などのチャレンジ投資に振り向けたい」

―カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)への対応が必須です。

「生産活動の二酸化炭素(CO2)削減に加え、顧客のCO2削減に寄与できる装置の販売比率を増やす取り組みも計画している」

記者の目/中計残り3年 問われる手腕

24年3月期までの中期経営計画期間で、従前の受注に対応するスタイルからの脱却を掲げる。サプライチェーンの上流から下流まで連動できるよう、グループ全体で資本効率を意識する体質に変える計画だ。残る3年で社員の意識を変え、いかに数字に結びつけられるか。トップの手腕が問われる。(京都・大原佑美子)

キーワード
半導体

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