「日本製」は海外で付加価値。マクセルが海外で除菌消臭器を拡販
マクセル(東京都港区)は、オゾン除菌消臭器「オゾネオ」を海外で拡販する。現地の販社や販売代理店を通じてアジアと欧州を中心に営業活動を強化し、新型コロナウイルス感染拡大に伴う需要増に対応する。3年後に海外売上高比率を5割に高め、同製品含めた健康・美容関連製品での全世界の売上高目標100億円に弾みを付ける。
マクセルは2020年2月に海外でオゾネオの販売を始めており、30畳までの空間に対応した「MXAP―AE400」、20畳までの空間に対応したコンパクトサイズの「オゾネオアルファ」という業務用2製品を取り扱っている。オゾネオアルファは海外での販売強化を見据え、同年10月に国内に新ラインを立ち上げた。「『日本製』は海外で付加価値になる」(乗松幸示執行役員)からだ。
今後、現地の販社での営業力を強化するとともに、家電や業務用機器などに強みを持つ商社との販売代理店契約数を増やしていく。
現在、台湾では家電量販店と契約し製品を卸しているほか、ベトナムでは現地産業機器専門商社と販売代理店契約を結んだ。欧州では英国とアイルランドで病院や介護施設などでの納入実績がある。
オゾネオは、放電によって生成したオゾンを、搭載しているファンによる風で部屋など空間内に行き渡らせることで除菌や消臭、ウイルス除去ができる。発生するオゾンは、日本空気清浄協会が定める「室内での許容濃度平均値」に該当する0・05ppm(ppmは100万分の1)以下の人体には安全とされる濃度。奈良県立医科大学との研究で家庭用の「オゾネオエアロ」で生成された低濃度オゾンが新型コロナウイルスに対する不活化効果を確認している。19年度のオゾネオの販売額は約1億7000万円だったが、コロナ禍で販売が伸びており、20年度は20億円超を予想する。