イオンディライトが防疫事業を拡大へ、新基準の清掃手法も開発
イオンディライトは施設内や設備を除菌・抗菌するオフィス向け防疫事業を拡大する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オフィスの感染対策ニーズが高まっているためで、総合病院などに提供してきた感染を制御する衛生サービスをもとに、高い衛生レベルの新基準を開発。これを使い防疫対策清掃チームが現場対応する。3年後に現状比1・5倍の事業売上高を目指す。
開発した新基準の清掃手法「ニュースタンダードクリーニング」は、従来の美観を維持する平面清掃から、科学的根拠に基づき衛生面を維持、強化する立面清掃に転換した。
一例として、ドアノブやソファなど高頻度に接触する表面は、新型コロナウイルスに有効性が確認された洗剤、除菌効果が高いクロスを使って拭き取る。
清掃箇所の清潔度を見える化するため、有機物の総量を測定する装置も導入した。アデノシン三リン酸を酵素などと組み合わせて発光させて、その発光量を測り、汚れを数値で確認する。
防疫対策清掃チームは、所定の教育プログラムを履修し専門知識を身につけたスタッフで構成されている。
将来は、ビルオーナーなどに衛生清掃についてコンサルティングするサービスを提供する。ビルの付加価値向上につなげてもらう。
イオンディライトは2014年から病院の感染対策を手がけ、京都大学病院や赤十字病院グループなど計165病院に対策を講じてきた。イオン各店舗でも、ニュースタンダードクリーニングに基づいた衛生清掃を実施している。
日刊工業新聞2020年12月22日