医療従事者の思いを汲む帝人の若きリケジョ、「皆に使ってもらえる製品を」

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小丸香奈恵(こまる・かなえ)さん<ヘルスケア新事業部門医療機器事業推進班>

帝人の小丸香奈恵さん(27)は東北大学病院のプログラムに参加し、医療従事者へのヒアリングなどを通じてアンメット・メディカル・ニーズ(未充足の医療ニーズ)の探索やテーマ化に取り組む。医療機器の事業企画から研究開発まで手がけられる「“オールラウンダー”になりたい」と展望を描く。

「素材と医薬の融合」を掲げていた帝人に興味を持ち入社

化学工学を学びたいと考えて、東京理科大学工学部工業化学科、同大学大学院総合化学研究科総合化学専攻に進みました。研究室では有機無機ハイブリッド材料の開発に取り組みました。細胞培養の足場材料など、医用材料への応用を見据えていました。

就職にあたっては既存品の改良よりも新製品の開発に携わりたいと思い、帝人が「素材と医薬の融合」を掲げていた点に興味を持ち、2017年に入社しました。入社後、埋め込み型医療機器の研究開発を3年間担当しました。

入社1年目に新規テーマの主担当に任命されました。右も左も分からず、製造プロセスや評価系の構築を1人でやらなければならず、きつかったです。自分で年間スケジュールを立てたのですが、見積もりが甘く、計画がどんどん遅れてしまい、周りの人に叱られました。

現在、東北大学病院のアカデミック・サイエンス・ユニット(ASU)に参加しています。医療現場のニーズを抽出し、新たな医療機器の開発に結びつけるのが役割です。

事前に医師らの手技を勉強し、手術などにも立ち会います。「このような医療機器があれば複雑な動きをしなくてもよくなるのではないか」といった提案も行っており、積極性が大事だと感じます。

抽象的なニーズをいかに数値化するか、試行錯誤しています。医療機器が参入していないテーマを見つけ、製品化に結びつけたいと思っています。医療従事者によって好みがあり、皆に使ってもらえる製品を作るのは難しいです。

以前はよく旅行に行っていました。今は新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、自宅でやるゲームでストレスを発散しています。

(文=江上佑美子、写真=高山基成)

日刊工業新聞2020年12月28日

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