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進行状況の把握、生産実績の集計…「生産管理板」が製造現場を変えた!

進行状況の把握、生産実績の集計…「生産管理板」が製造現場を変えた!

67のラインで稼働中の「生産管理板」(ジェコー提供)

ジェコーは従業員の作業負担の軽減などを目的にIoT(モノのインターネット)の活用を進めている。2013年には組み立てラインで生産状況などを表示する「生産管理板」の運用を始めた。生産管理板にはタブレット端末を使用しており、16年には部品の加工ラインでも導入した。さまざまな課題を解決し、業務環境の改善に一役買っている。

ジェコーは自動車用の時計や計器類を製造する。同一ラインで品目を変えながら製品を生産しているため、進行状況を明確に把握するのが困難だった。また、生産実績を集計する時間の削減も課題となっていた。製造ラインでは担当者が紙やホワイトボードなどに記入した生産数をパソコンに入力する作業を毎日人手で行っていた。そのため「作業に1時間ほどを要していた」(宮原紀夫取締役)という。

業務効率化の必要性に迫られた同社は、生産管理板を導入した。生産管理板の開発については市販のタブレット端末とソフトを利用し、自社でシステム構築した。大きさやコストなどを考慮し、タブレット端末の採用を決めた。

生産管理板を導入したことで、生産実績や進行状況を自動的に記録し、集計できるようになった。その結果、生産数を手入力する必要がなくなったため残業時間の削減に貢献。従業員の作業負担の軽減につながった。

これを受けて他部署でも生産管理板を導入し、部署ごとのニーズに合わせて機能を追加している。部品加工の工程では製品の表面にできた傷などの情報をいち早く集める必要があった。そこでタブレット端末に損傷の種類を記録する機能を追加した。

生産管理板は自社で開発しているため、各部署や各ラインからの要望に迅速に対応できるほか、開発期間の短縮にもつながった。今後は設備の稼働率を上げるため、新たなシステムを構築していく方針だ。(さいたま・阿部未沙子)

日刊工業新聞2020年12月25日

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