自動車部品メーカーにRPA導入の波、年1300時間の工数削減も

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曙ブレーキはRPAの社内専門家の育成も視野に(羽生本社オフィス、同社提供)

自動車部品メーカーでRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)の導入が広がっている。曙ブレーキ工業はRPAを本格導入し、人事管理業務などで適用範囲を拡大する。ショーワもRPAで生産管理など製造現場の効率化を図る。自動車の技術変革に向けた開発投資が膨らむ中、作業を効率化して従業員の働き方の質を高め、コスト面で競争力をつける。(取材=松崎裕)

これまでRPAはデジタル化の導入に抵抗の少ないITをはじめ金融や電機などが先行してきた。この1、2年で自動車業界はCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応など開発投資が増加し、コスト削減のためRPAを導入する動きが急速に広がっている。

曙ブレーキは、2019年にRPAを本格導入し、年換算で約1300時間の工数を削減できる体制を整えた。開発関係部署では数値をまとめる業務や、顧客からの発注情報を集計する営業支援などで活用している。さらに人事管理の業務でRPAの活用範囲を拡大する方針だ。給与計算以外の採用・評価・労務管理などに関連するデータ処理などを計画する。RPAの開発者だけではなく、問題発掘から改善、簡単な設計までできるRPAの社内専門家の育成も視野に入れる。

ショーワはデータ作成や報告メールなどの定型業務をRPAで行うようにしたほか、製造現場の効率化にもRPAを生かそうとしている。工場で取引先のデータをパソコンにダウンロードし、印刷する業務をRPAで行う。各生産拠点にRPAを使った共通業務を水平展開する計画だ。1日10分程度の簡易な作業でも、自動化で担当者の心的負担の軽減や、やるべき業務に集中する時間の確保、ミスの削減につなげる。

自動車など製造業を含め幅広い業界のRPA導入に携わるRPAシステム大手、UiPath(ユーアイパス、東京都千代田区)の木下貴文ハイテク・自動車営業部長は「これまでバックオフィスを中心に間接部門での導入が広がっていたが、人手不足やCASE対応によるコスト圧縮など製造現場での展開が進む」と分析する。

さらに研究開発分野での導入が重要になる。研究開発者はデータの収集や分析、確認、リポート作業など日々、手間のかかる作業に費やす時間が多い。ユーアイパスの西田祐介セールスコンサルティング第二部マネージャーは「研究開発者が技術革新に携われる業務に時間を割けるよう危機意識を持つ企業は多い」と指摘する。

日刊工業新聞2020年11月30日

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