あなたの背骨はまっすぐ?歪みをAIが選別

慶大などの新技術

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背面のモアレ画像から脊柱の配列を推定(慶大提供)

慶応義塾大学理工学部の青木義満教授は、慶大病院整形外科の渡辺航太准教授、スペースビジョン(東京都中央区)と共同で、背骨がねじれて歪む疾患である「側彎(そくわん)症」の患者を人工知能(AI)でスクリーニング(選別検査)する技術を開発した。スペースビジョンの装置で撮影した体表面の画像をAIで解析し、脊柱の位置を推定して側彎症が疑われる症状を自動で見つけ出す。早期発見により重症化を防ぐ手法として実用化を目指す。

慶大が18日にオンラインで開く「第21回慶応科学技術展」(慶応テクノモール2020、日刊工業新聞社後援)で詳細を発表する。

スペースビジョンが開発した小型の側彎症検査機器「3Dバックスキャナー」は、体表面の高低差を等高線像(モアレ画像)によって簡単に可視化できる装置。撮影した3Dデータから高低差を算出し、5ミリメートル間隔でしま模様を表示する。

青木教授はこれに画像AI技術を適用し、事前にディープラーニング(深層学習)によって学習させておいた約2000人分の患者データを基に、被検査者の背面のモアレ画像から脊柱の配列を推定。この脊柱配列から、前方から見た脊椎のカーブの大きさ(コブ角)を算出する。

側彎症はねじれを伴いながら脊椎が左右に曲がり、コブ角が10度以上ある病態をいう。装具治療の対象となるコブ角20―30度以上の患者は0・3―0・5%と、1000人に3―5人の割合で発症する。手術の可能性がある40度以上の患者は0・1%程度。小中学生で発症が多く、13、14歳女児は2―3%の確率で発生する。

現在、学校などで行う1次スクリーニングは視診やモアレ画像を使った医師による視触診が主流。しかし、視触診は見落としなどの課題がある。また大型のモアレカメラは十数年前に製造が中止され、メンテナンスの問題が指摘されていた。

AIによる自動の側彎症検査システムがあれば、多くの生徒を検査する学校検診の負担軽減のほか、患者の見落としの低減も見込める。

今後、追加の患者データを集めて精度を高め、全国の自治体へ採用を働きかける。

キーワード
背骨 AI

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