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人工筋肉で猫背矯正、実用化なるか

香川大が機器開発
人工筋肉で猫背矯正、実用化なるか

試作した姿勢矯正器。この骨格にベルトを巻いて姿勢を正す

 香川大学大学院工学研究科の佐々木大輔准教授と八瀬快人大学院生らは、空圧式人工筋肉を利用して背すじを伸ばす姿勢矯正器を開発した。人工筋肉が収縮すると背中の曲線に合わせて矯正器がロックされ、正しい姿勢を保持する。締めたり、緩めたりと、状況に応じて保持力を切り替えられる。5年をめどに実用化を目指す。

 矯正器は背骨のように複数の樹脂ブロックが人工筋肉で連結された構造。人工筋肉が縮むと樹脂ブロック同士がかみ合って脊柱の形に硬く固定される。人工筋肉を緩めるとかみ合いに余裕が生まれて曲がるようになる。

 人工筋肉の収縮力とブロック同士のかみ具合を調整することで、姿勢を保つ力を制御できる。人工筋肉はチューブ状のマッキベン型を採用した。空気を入れると膨らんで長さ方向に縮む。重量は約1キログラムと軽いが、強い力を出せる。

 まだ少人数での検証だが、矯正器で姿勢をサポートすることで、何も着けずに正しい姿勢をとるよりも理想に近い姿勢を保てることを確認した。ユーザーごとの体格差は樹脂ブロックの種類を増やすことで対応する。
日刊工業新聞2018年6月27日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
これまで装着型ロボットの研究は腰への負担軽減が多かった。猫背矯正など、より高い位置に身に着ける装着物は、重心を安定させるために軽量化が求められていた。

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