女性管理職は約4割、東京本社の外国人社員500人。飽くなき資生堂のダイバーシティー

資生堂社長・魚谷雅彦

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資生堂公式サイトより

全世界153カ国中で日本は121位、何の順位か―。これは世界経済フォーラムが発表した「世界男女格差指数」のランキングで、企業の管理職や国会議員の男女比など、経済、教育、政治などの分野での男女間の不均衡を示す指標だ。驚くべきことに世界第3位の経済大国、先進国であるにもかかわらず、わが日本はこんな劣位だ。1―3位はアイスランドなど北欧の国々が占め、米国が53位、中国が106位、韓国108位。日本の121位は過去最低のランクだ。

これではいけないと国や企業も女性活躍・ダイバーシティー(多様性)の推進に力を入れる。大手上場企業100社の取締役会での女性比率はようやく11%になったが、まだ低い。また男女だけでなく、外国人や中途採用などさまざまな経験を持つ多様な人材を生かそうとする動きも活発になってきた。

なぜダイバーシティーなのか。それはグローバル化やデジタル化に伴い、社会、生活者、お客さまが変化し、その価値観やニーズも多様になっているからだ。「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあるように、いろいろな人が参画すれば多様な発想が出てくる。高度経済成長時のように同じ商品やサービスで全ての人を満足させる時代は既に終わっている。

現在のニューノーマルの環境下では、リモートワークやオンライン会議が急速に当たり前になった。私はこのことがダイバーシティーを高める絶好の機会になると期待する。幼い子どもがいる、海外に住んでいるなどのさまざまな環境下でも、積極的に業務に参画できる。そして「違い」を尊重することで新たな視点と発想が生まれ、企業を活性化する。スティーブ・ジョブスが「Think Different(シンクディファレント)」を掲げたように、イノベーションの源泉は異質のことを受け入れ、新たな価値に転換することだ。企業内が同質の人材と組織文化では実現できない。

当社はダイバーシティーを重要な経営戦略としている。取締役会も46%が女性であり、さまざまな背景を持つ社外取締役や監査役がいることにより、多面的な知見や経験を元に議論が活発になる。女性管理職もまもなく38%になる。東京本社には500人近い外国人社員がいる。社長が男でなければならない、日本人でなければならないというルールはない。

【略歴】うおたに・まさひこ 77年(昭52)同志社大文卒、同年ライオン歯磨(現ライオン)入社。83年米コロンビア大経営大学院卒。01年日本コカ・コーラ社長。14年資生堂社長。19年からは経営層の女性割合30%を目指す「30%クラブジャパン」の会長も務める。奈良県出身、66歳。

日刊工業新聞2020年12月7日

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