第一生命が高齢者の「終活」支援、自治体と連携しノートを無償配布する理由

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包括連携先の自治体に「終活ノート」の無償配布

第一生命保険が高齢者の“終活”支援を進めている。保険契約者の希望次第で配っていた「終活ノート」を包括連携先の自治体に無償提供している。65歳以上の高齢者が増える中、自治体はノートを身辺整理のツールとして提供し、家族らと共有してもらうことで、サービス向上につなげている。

第一生命は、2016年に包括連携を結んだ宮崎県都城市で取り組みをスタート。これまで現地の営業職員も加わり、4000冊を配布した。ノートには家族や親族、加入している生命保険、不動産・預貯金の状況などの記入欄を用意。人生100年時代の到来で老後の資産形成への関心が高まっていることもあり、終活を通じて資産を整理するニーズに応えている。

こうした取り組みの背景には、生命保険を通じて有効に資産を残す重要性を訴求する狙いがある。15年の相続税法改正で相続時の税負担が重くなった。保険を活用した生前贈与などを検討する機会として利用してもらう考えだ。子ども経由でノートを紹介され、保険加入につながった事例も出ている。

生保業界では近年、企業のセキュリティー強化などで新規顧客との接点づくりが課題となっている。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点で積極的な訪問活動が難しい状況にある。第一生命は18年度から東京都と婚活イベントを共催するなど“白地”開拓を積極的に実施している。

終活についても無償配布だけでなくセミナー開催などを検討している。

日刊工業新聞2020年12月4日

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