第一生命が熱心に婚活パーティーを開く理由

SDGsの一環、ビジネス機会にも

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写真はイメージ

地上200メートルの高さにある東京都庁展望室で、夜景を楽しみながらの婚活パーティー。第一生命保険が東京都と協力して2018年1月に開催したイベントだ。同社は他にも長野県や福岡県など各地の自治体と婚活パーティーを開いている。19年度は42回開き、参加は3000人以上、カップルの成立率は1割という。

結婚しない住民の増加は人口減少に拍車をかけるため、男女の出会いの場づくりを支援する自治体が増えている。結婚したカップルは保険商品を契約してくれるかもしれないので、婚活パーティーは同社にとってビジネス機会にもなる。

営業基盤である地域への貢献は、同社の経営に好影響をもたらす。19年度はビジネス交流会を各地で18回開き、保険会社の本業と密接な健康啓発セミナーも24回開いた。

課題解決による価値提供と事業成長の両立は「CSV(共有価値の創造)」と呼ばれ、事業戦略に組み込む企業が多い。DSR推進課の黒主愼享マネジャーが「自治体とのコラボレーションで課題解決に取り組んでいる」と語るように、自治体と連携した課題解決が同社のCSVだ。47都道府県すべてと何らかの連携協定を結んでいる。包括連携協定を結んだ市区町村も20年3月時点で40を超えていたが、現在は90以上に急拡大した。

地域貢献を推進する一方で、地球規模の課題解決にも取り組む。同社は19年8月、事業で使う電気全量の再生可能エネルギー化を目指す国際組織「RE100」に国内保険会社で初めて参加した。総務部の加藤大典マネジャーは「気候変動対策に真っ先に取り組む姿勢を示すため」とRE100加盟の狙いを示す。都内2拠点で水力発電の電気の購入を始めており、再生エネ比率は7%となった。日本のRE100参加企業と一緒に再生エネが調達しやすい環境整備を社会に訴えていく方針だ。

企業の株式や債券を運用する機関投資家としても、気候変動問題は無視できない。世界の投資家が大企業に温室効果ガス排出削減を働きかける活動「クライメートアクション100プラス」にも参画した。運用調査室の黒田洋一郎マネジャーは「共通の思いを持った参加者との行動は、もっとも効果を発揮しやすい」と期待する。

地域課題解決では自治体と、気候変動対策では他社や世界中の投資家と協力する。連携が、同社の持続可能な開発目標(SDGs)の推進力となっている。

福島県での認知症啓発セミナー(昨年)

日刊工業新聞2020年8月28日

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