木枠を組み立てて撤去不要に!清水建設が3Dコンクリプリントで柱型枠作成

  • 0
  • 5
3Dプリント装置で柱型枠を積層造形する

清水建設は独自開発した3次元(3D)コンクリートプリント装置を使って製造した柱型枠を、2021年春にも現場に適用する。パソコンに型枠の情報を入力し装置が材料を積層するだけで、耐久性、靱性に優れた柱型枠を造形できる。従来の木枠を組み立てて撤去する作業が不要になり、省人化やコスト削減に貢献する。プレキャスト(事前に工場などで製造する)コンクリートに使う柱型枠に適用した上で、今後5年以内には工事現場で直接、3Dプリント装置を使った作業や施工を目指す。

技術研究所の専用実験施設における実験では、2時間で高さ2・1メートルの埋没型枠を製造したが、装置や材料の改良により複雑形状の対応にめどをつけた。

従来の柱型枠づくりは作業員が木枠を組み立て、その中に流し込んだコンクリートが固まった後に木組みを解体する。人手がかかり、一定の作業場が必要だった。また、海外製の材料押し出し型3Dコンクリプリント装置は、型枠のような薄い構造物を造形中に崩れやすい欠点があった。

一方、清水建設は10月、専用ノズルを搭載した汎用型のプリント装置を導入。同時に専用の繊維補強モルタル材「ラクツム」を開発した。ラクツムは通常のセメントや砂のほか短い合成繊維、高性能減水剤などを加え、粘性、靱性を高めた独自開発の高性能材料。ノズルで積載するだけで、気泡や空隙がほとんど生じない一体化した積層面を構築できる。

同社は3Dコンクリプリント装置の用途が、建築分野の柱向けだけでなく、土木分野の橋脚や柱向けなど多岐にわたるとみている。多様なニーズが見込まれることから、複雑形状の対応や高さを増すため、装置や材料の改良を進めており、材料の配合にもめどをつけている。

日刊工業新聞2020年11月30日

関連する記事はこちら

特集