食農分野を一つの柱に、旭化成が新事業創出へデータ活用推進

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フレッシュロジ利用車(イメージ)

旭化成は、食品の鮮度や品質に関するデータ基盤を構築する。物流業者など向けに近くサービスを開始するクラウド型生鮮品物流システム「フレッシュロジ」を通じ、輸送環境のデータを収集。まず青果物の輸送環境と経時変化の関係性を分析し、鮮度保持輸送の最適条件を算出する。今後、データを基に同社の食品包装材料も活用しながら、フレッシュロジを中心に、より最適な輸送提案をできる体制を目指す。

フレッシュロジは、建材用断熱素材「ネオマフォーム」製の密閉断熱ボックスを使った物流システム。予冷した野菜をボックスに入れることで、常温のトラックで輸送しても、輸送時の温度上昇を緩やかにして劣化を防ぐ。ボックス内のセンサーで収集した温度や湿度、二酸化炭素(CO2)や、ボックス外の温度変化の値を活用し、データ基盤を構築する。

サービスに先立ち、外部の研究機関と連携して主要な野菜の輸送条件を作り込んだ。今後のデータ基盤構築によって、更なる輸送品質向上や多様な野菜への対応、「サランラップ」や他の食品包装用フィルムの活用などへサービスの幅を広げることが可能だ。

これまで市場での野菜の鮮度や品質の判断は、目利きの勘と経験に頼ってきた。旭化成はフレッシュロジとデータ基盤の利用で、鮮度や品質の判断にデータを活用する仕組みを市場に広げる考え。将来、生産者や物流、小売業者との連携を深めることで、データを拡充できれば、新たな食品ロスの削減や環境負荷低減ビジネスへつながる可能性もある。

旭化成は新事業創出でデータ活用を推進しており、食農分野は一つの柱となりそうだ。


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日刊工業新聞2020年11月27日

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