青果流通のデジタル化で需要を予測!食品ロス低減へ
生産者と小売りを結ぶプラットフォームを構築
イーサポートリンクは、国内の青果流通のデジタル化に乗り出す。青果に関わる生産者や流通、小売りをつなげるプラットフォーム(基盤)を構築し、2021年に提供を始める。生産者の生産計画と小売りの需要予測を結びつけ、青果の付加価値を高めるとともに食品ロス低減を目指す。3年後に同基盤での取扱高260億円、売上高10億円を目指し、新たな事業の柱とする。
イーサポートリンクが構築する基盤は、生産者と小売り、流通の直接取引を支援する。付加価値の高い青果を栽培する生産者と、地元産の青果を店頭に置き差別化したい小売り業者を結びつけ、需要予測と生産計画を連動する。生産者の情報や栽培履歴の掲載、決済を基盤上で完結できる機能も搭載。受発注業務の効率化や競争力強化を目指すバリューチェーンを構築する。
近年は生産者から市場や卸、仲卸を通じて小売りに到達する既存の安定供給ルートだけでなく、EC(電子商取引)サイトなど生産者と消費者を直接結びつける販売ルートも立ち上がってきている。生産や小売り、流通それぞれの業者の差別化ニーズを同基盤で取り込む。
同社は農業のデジタル化を進める「アグリテック」ではなく、流通のデジタル化を進める企業。これまで、バナナやアボカドなど輸入品のサプライチェーンを実現するシステムや、大手小売業の受発注や請求などの取引データを企業間で自動化する電子データ交換(EDI)システムを構築してきた。これらのノウハウを活用し、国内青果物流を支援する基盤を提供し、事業の第三の柱に育てる。
日刊工業新聞2020年3月13日