デンソーウェーブが手掛けるデータ収集ミドルウェアとは!?
クラウド対応、農機や医療も対象に
デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、中川弘靖社長、0569・49・5000)は、メーカーの異なる複数ロボットのデータを一元的に収集できるミドルウエア「ORiN(オライン)」に関し、2022年にも最新版「オライン3」を商品化する。ロボットだけでなく農機や医療機器、クラウドの規格にも対応するのが特徴。多様なデバイスが対象となり、ユーザーはより多くのデータを取得できる。それを生かせば、故障予測などのアプリケーション(応用ソフト)の利便性を最大限引き出すことにつながる。
オラインは日本ロボット工業会傘下のORiN協議会がソフトウエア基盤を手がける。中核技術は共同開発だが、各社がハードやソフトウエアへの実装を担いシステムに仕上げる。
オライン3は2015年にプロジェクトが始動し、20年3月に同協議会で最終仕様が確定した。デンソーウェーブは実装評価を進め、品質保証の担保が可能な状態を目指す。
現在、デンソーウェーブは、プログラム言語が異なる各社の工場自動化(FA)製品を一元的にアクセスする「オライン2SDK」を展開する。同社が正式発行したライセンス数は5万社にのぼる。
データを分析し故障を予測するなどのソリューションはシステム構築事業者などが提供する。ただ、分析するために必要なデータの収集はユーザーに委ねられており、苦労するケースも多い。デンソーウェーブはオライン3がこうした課題の解決に役立つとみる。
日刊工業新聞2020年11月2日