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小型工作機械の受注は底打ちか? 中国は回復傾向だが、欧米などは依然不透明

日本精密機械工業会(日精工)がまとめた2020年7―9月期の小型工作機械受注実績は、前年同期比15・0%減の197億106万円と、8四半期連続の前年割れとなった。ただ、減少幅は4―6月期(前年同期比38・5%減)よりも縮小した。

新型コロナウイルス感染症の影響により、製造業の設備投資抑制は依然として根強いものの、中国市場の需要回復を背景に一部で持ち直しの動きが見られつつある。

機種別の受注額は、数値制御(NC)小型旋盤が同1・7%減の108億9946万円、小型マシニングセンター(MC)が同14・7%増の14億9274万円、NC小型研削盤が同55・1%減の8億4143万円、NC小型フライス盤が同3・2%増の6億775万円だった。

輸出額は同9・9%増の135億2560万円だった。輸出比率は同15・6ポイント上昇し68・7%。中国向け需要が伸びた一方、国内市場が引き続き低迷している影響を反映したとみられる。

1カ月平均の受注額は7―9月期の65億6702万円で、4―6月期比10・9%増となった。引き続き中国市場の回復が期待されるものの、欧州や中南米では新型コロナの感染が再拡大している。総受注額が改善傾向を続けるか、再び減少傾向に戻るのか不透明さも残る。

日刊工業新聞2020年10月28日

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