オリエンタルモーターが生産能力を30%増強! 自社開発ロボも導入し5G需要に対応
オリエンタルモーター(東京都台東区、川人英二社長、03・6744・0411)は、2019−21年の3年間で国内9事業所の生産能力を30%増強する。従来は多品種少量生産に適したU字型生産ラインでモーターを製造していたが、新たに量産用ラインを構築。同ラインには自動化を支援する自作ロボットも投入し、モーター需要の増加に対応した供給体制を整える。
オリエンタルモーターが手がけるのはACモーターやステッピングモーター、サーボーモーター。第5世代通信(5G)や無人搬送車(AGV)、ロボットの普及でモーター需要が増加すると見込んでいる。特に5G関連では、基地局向けや、5Gで拡大する半導体投資に伴い製造装置向けのモーターの販売が伸びている。
同社では需要が増えても人員を増やさず、30%増の生産を可能にする体制の構築を目指す。そのために直線型の量産ラインを9事業所で試験的に1ラインずつ導入。一定の数量となる製品は量産ラインで手がけることで、生産性を向上する。
量産ラインでは、自社モーターを組み込んだ自社開発のロボットも導入する。ラインの半自動化を進めるとともに、ロボットに適したモーターの開発にもつなげるのが目的で、「ロボットの外販は考えていない」(川人社長)という。
同社では工場自動化(FA)や医療、半導体、食品、エネルギーなど幅広い業界にモーターを供給。20年3月期売上高は516億円で、中長期に600億―700億円まで引き上げたい考え。5G関連に加え、工場や物流、公共施設で活用が広がるAGVや、自動、省力化で普及が拡大するとともに搭載モーター数も増えているロボット向けに需要が伸びていくと予想する。
日刊工業新聞2020年10月21日