琵琶湖畔にあるリゾートホテルの倒産、インバウンド蒸発の敵は関西にあり

ロイヤルオークリゾート、京都に負けコロナが追い打ち

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ロイヤルオークホテルのオープンは1990年。琵琶湖畔の約2万3000平方メートルの敷地に客室数169室、六つのレストランのほか、スパやフィットネス、結婚式場などを有していた。しかし、97年2月にグループ企業の行き詰まりでホテル不動産が競売にかけられ、やむなく同ホテルの経営を目的に、新会社のロイヤルオークリゾートを2002年3月に設立。ホテルの営業権を同社に譲渡し、旧会社は約38億円の負債を抱えて破産となった。

リゾートホテルは資本集約型の装置産業で投下資本の回収が長期にわたる上に固定費が高く、安定収益の確保が難しい。新会社も施設維持費が大きく、05年6月期の売上高約27億円に対し数千万円の営業赤字を計上。前身企業の倒産で金融機関の支援は得られず、05年に本社不動産を信託し、受益権を譲渡することで改修費用を捻出するなど不安定な経営が続いていた。

その後はインバウンド需要の伸長で一時的に売り上げが回復したが、京都市内に大型ホテルが開業し、再び宿泊客が減少。設備老朽化で高級感が失われていたなか、稼働率確保のため外国人団体客などの集客に注力した結果、客室単価が下落。19年3月期は売上高20億円を切り、3億円を超える営業赤字を計上、大幅な債務超過となっていた。

このためスポンサー交渉を進めたが、新型コロナウイルス感染拡大で宿泊客が激減。婚礼や団体客のキャンセルが相次ぎ、収束時期が見通せないことから候補先との交渉は決裂した。緊急事態宣言の発令で4月28日に休業を決定し、従業員を解雇、5月1日に破産手続き開始決定となった。

これまでの経緯から、バブル期の大型施設の維持費が経営を圧迫していたことが分かる。そこに新型コロナが追い打ちをかけた。収束時期が見通せないなか、宿泊施設についても経営のあり方の変容を迫られており、ビジネスモデルの転換を迎えていると言えよう。

(文=帝国データバンク情報部)

日刊工業新聞2019年10月6日

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