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「メードイン川崎」のフックハンドル、ユニオン産業が発売へ

「メードイン川崎」のフックハンドル、ユニオン産業が発売へ

川崎市の竹を使った抗菌フックハンドル「スワン」

ユニオン産業(川崎市中原区、森川真彦社長、044・755・1107)は、川崎市内で伐採した竹を原料に織り交ぜた抗ウイルスのフックハンドル「スワン」を開発した。抗菌や抗ウイルス、防カビの特長をもつ独自開発の樹脂「ユニペレ」に、川崎市内の竹を使うことで「メードイン川崎」を実現した。10月から同社ホームページや直営店舗で発売する。

スワンは取っ手にかけてドアを開いたり、電車のつり革に引っかけたりして、新型コロナウイルスの感染対策として使用できる。デザインは白鳥がモチーフ。黒い部分は導電性の素材を含み、スマートフォンなどのタッチペンとしても使用できる。高さ約11センチ×幅9センチメートルで、手持ち部分の幅は6センチメートルと大人の男性の指が3―4本は入るほどの大きさにした。価格は800円(消費税抜き)を想定。年内に1000個の販売を目指す。

ユニペレは麦などの天然有機廃材を使用しており、スワンには川崎市内で農家を営む森大介さん(43)が所有する竹やぶの竹を用いた。竹が近所の子どもたちの通学路に覆い被さり危険なため、土木工事の水野興業(川崎市高津区)に依頼して全て伐採を進めている。一方で、竹を探していたユニオン産業が川崎市の紹介でつながり、製品化に至った。

水野興業で竹を荒粉砕し、ユニオン産業で微粉砕後、ペレット状にして製品化する。ユニオン産業はこれまで沖縄県産の月桃など全国各地の素材を使い、地域資源の活用や循環型社会づくりを推進してきた。森川真彦社長は「川崎市発の素材を作ることができた」と初の試みの成功に喜ぶ。水野興業の水野旭専務は「他の場所でも竹が多く出るので、また一緒に(取り組みが)できれば」としている。

日刊工業新聞2020年9月22日

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