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コロナ時代の消毒作業を効率化する「秘密兵器」

小型・軽量かつ簡易操作

【京都】坂製作所(京都市右京区)は、手のひらサイズの独自コンプレッサーを応用し、診療所などの消毒作業を省力化できる携帯型の液体噴霧器を発売した。開業医らの要望を受けて開発した。小型・軽量かつ簡易操作で手軽に扱える。ハンドスプレーをして拭き取る手間暇のかかる消毒作業や、中型コンプレッサーを台車に乗せたり、背負ったりして行う消毒作業の代替が可能。

吐出空気容量が毎分10リットルの小型コンプレッサーでも液体を微粒化して噴霧できる二流体式ノズルガンと、独自コンプレッサーをセットにして販売する。価格は同コンプレッサーのみの場合と同じ、20万円(消費税抜き)に抑え、新型コロナウイルスの感染拡大で高まる社会の消毒ニーズに対応する。引き合いは多く、月100台ほどの販売を見込む。

小児科や歯科などの診療所、美容室、スポーツジム、オフィスなどの消毒の省力化用途で提案する。消毒液はエタノールをはじめ、多様な液体が使える。

同ノズルガンを握ると噴霧できるなど、コンプレッサーの制御も工夫した。液体噴霧のノズルはシンプル構造だが、大きな吐出空気容量が必要な吸い上げ式が一般的で中型コンプレッサーが用いられることが多く、素人では扱いが大変だった。

坂製作所の小型コンプレッサーは、博物館の展示ショーケースの湿度管理機器に組み込まれるなど静音性にも優れている。液体噴霧器に応用した同コンプレッサー「モテ・コン FC01」の騒音値は43デシベル。最大吐出圧力は0・5メガパスカル。

日刊工業新聞2020年7月14日

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