ロボットシステムインテグレーターが中小企業に導入支援を活発化

  • 1
  • 2
中小の自動化・ロボット化へ支援の手ぞくぞく(ユニバーサルロボット提供)

中小企業のロボット導入や生産自動化を支援する動きが多方面で活発化している。FA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会、東京都港区)は2020年末から新たに、中小企業のロボット導入事例に関するセミナーを開始する。デンマークのユニバーサルロボット(UR)は都道府県の工業技術センターと連携し、中小への知見の共有を積極化し始めた。大手企業とは異なる中小ならではのロボット活用を広め国内企業の競争力底上げを進める。(川口拓洋)

【成功事例を紹介】

SIer協会は中小企業の産業用ロボット導入を加速するため、ロボット導入に焦点を当てたセミナーを開催する。ロボットを2台以上導入する中小企業1―2社が講演者を務め、成功事例を紹介する。参加は無料で年間2―3回実施。まずはオンラインによる開催を想定する。

「中小企業のロボット活用の目指す方向性は大手企業とは異なる」と強調するのは、同協会でセミナー開催をけん引する高丸工業(兵庫県西宮市)の高丸正社長だ。同社はロボットのシステムインテグレートを手がける。年間約1000人のロボット人材を育成するほか、20年1―5月にロボットシステム32台を納入した実績を持つ。

大手は量産工程にロボットを導入し省人化や自動化を進めるが、中小企業はロボットで一品物を製造することが多い。高丸社長は「人とロボットのコストを比べるだけでは導入・活用は進まない」と言い切る。

【5カ所で連携】

中小企業ではロボットを導入することで「若い人材が集まり、社内で活用方法を模索しさまざまな場面でロボット利用が始まる。結果として数値化やデータも取れる」(高丸社長)という。

協働ロボットの専業メーカーであるURは都道府県の工業技術センターと連携し、ロボットの認知度向上や市場拡大の取り組みを加速させている。工業技術センターが主催する中小企業向けセミナーに積極的な参画を始めた。UR日本支社の山根剛代表は「ここに来て依頼が増えている」と明かす。

20年度は少なくとも5カ所の工業技術センターと連携。工業技術センターが取りまとめた中小企業向けにセミナーやオンラインによるウェビナーを行う。山根代表は「中小企業の自動化を推進する工業技術センターと連携することで、市場を広げるきっかけになれば」と期待する。

【ニーズは増加】

7月に中小企業向けの自動化推進セミナーを開催したのは和歌山県工業技術センター。19年度は2回実施しTHKとオムロンのロボットを、20年7月の回ではURを紹介。同センターものづくり支援部の中本知伸氏は「ロボットや自動化にちゅうちょする企業や、設備は導入したものの利用しきれていない企業もある」とした上で「コロナ禍にかかわらず、省力化など自動化に対する全体のニーズは増えている」と語る。10月にも20年度2回目のセミナーを開催する。

自動車や半導体などを製造する大企業で活用が先行した産業用ロボット。ここにきて中小企業でも導入を模索する動きがじわりと進んでいる。


ロボットメーカーも一目置く、異能の技術者集団の正体

日刊工業新聞2020年9月21日

関連する記事はこちら

特集