粉体へのALDコーティング技術をもつベンチャーに住商が出資

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素材の付加価値を高める技術を持つ米スタートアップに出資

住友商事は、米州住友商事を通じて米国のスタートアップ、フォージ・ナノ(コロラド州)に出資した。同社は金属酸化膜をナノメートル(ナノは10億分の1)スケールで形成する原子層堆積法(ALD)コーティング技術で、従来は難しかった粉体へのコーティングが可能なノウハウを持ち、一部用途では量産技術も確立しているという。出資額は非公表。

フォージ・ナノは2011年の設立。コロラド大学ボルダー校で粉体へのALDを学んだ学生が立ち上げたベンチャー。独フォルクスワーゲン(VW)が19年1月にフォージ・ナノに1000万ドル出資している。日本企業の出資は三井金属とSBIインベストメントの材料イノベーション・ファンドに続き2件目。

半導体業界ではこれまで、平面へのALDコーティングは実用化されているが、粉体へのALDコーティングは歴史が浅く、今後の普及が期待されている。

例えば、リチウムイオン電池の正極活物質にALDコーティングをして電解質の反応を抑制することで、電池寿命を延ばすことができる。蛍光体にALDコーティングを施して蛍光体と空気との接触を抑制し、蛍光体の酸化を防ぐことで発光ダイオード(LED)の長寿命化につなげることも可能とみている。

米州住友商事は17年7月にベンチャー投資ファンドを設立した。18年には、新規ビジネスの推進を目的に米州イノベーション推進グループを発足した。

今回のフォージ・ナノもベンチャー投資ファンドを通じての出資となり、同ファンドでの通算12件目の案件となる。

日刊工業新聞2020年8月28日

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