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山形・米沢の「腹方刺し子」伝統の技術をデジタルでつなぐ

山形・米沢の「腹方刺し子」伝統の技術をデジタルでつなぐ

テレワーク型刺し子教室の試験的取り組み

米沢工業高主導で情報発信

山形県米沢市に江戸時代から伝わる伝統工芸「原方刺し子」をデジタル技術で次代につなげる試みが始まった。さしこ工房「創匠庵」(米沢市)、山形県立米沢工業高校専攻科などが連携。刺し子図案のデジタル化やオンラインによる刺し子体験などで、普及・継承方法を探る。(山形・大矢修一)

原方刺し子は、刺しゅう技法の一つ。米沢藩の下級武士「原方衆」の妻たちが厳しい生活の中で編み出し、現在に伝わるという。今回のプロジェクトでは、米沢工業高校専攻科の学生らが中心となって、原方刺し子の伝承とともに“新たな形”による事業化モデルなどを2020年度内にも提案する。プロジェクトは「荘内銀行ふるさと創造基金」の助成テーマの一つに採択された。

技法の普及・継承では、オンラインによるテレワーク型の刺し子教室のあり方を探り、国内外での新たなニーズを発掘する。刺し子図案のデジタル化では、データを使った布素材や溶解シートへの印刷など新たな活用を探る。今後は若者の視点から会員制交流サイト(SNS)で情報発信にも取り組む。

原方刺し子の新たな展開として、20年度に「原方刺し子」を伝承する会(遠藤きよ子代表)が発足した。創匠庵、米沢工業高校専攻科、米沢市文化財保護審議会の白石信也会長が連携する。

日刊工業新聞2020年8月27日

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