ミドリムシ入りの培養土が野菜の品質と収穫量を向上させる!

品質・収量向上で農家に貢献

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産廃を撤去後の土壌と水は有害物質で汚染された(大岡健三氏撮影)

ユーグレナは小橋工業(岡山市南区)と共同で、栄養価が高い微細藻類ミドリムシを肥料とした培養土を開発した。食品、化粧品、バイオ燃料に次ぐ新たな分野だ。家庭用肥料「ユーグレナの培養土」としてテスト販売中。鈴木健吾執行役員は「農家を顧客とする新たな事業領域進出へのきっかけになれば」と意気込む。

ミドリムシを添加し熟成させた堆肥で培養土を開発した。小松菜とニンジンを栽培したところ、ミドリムシを含まない培養土より根の張りがよかったという。食べられる部分も増えた。また、地温の上昇で土中の微生物の活性化も確認した。

テスト販売で使い勝手などを検証し、農家への販売も検討する。鈴木執行役員は「農家は同じ面積当たりの利益性をいかに高めるかが課題。品質と収量を向上し、貢献したい」と笑顔を見せる。

ミドリムシを原料に液体肥料も製造した。一般的な植物性原料から製造した液肥より農作物の生育に対して有望だったという。収量と品質も化学肥料と差がなかった。水耕栽培向け肥料としての可能性も見いだした。

今後は機能性肥料の開発にも挑む。細かいメカニズムを解析すれば「味がよくなる」「病気になりにくい」など機能をもたせられる可能性がある。鈴木執行役員は「土の中の成分や微生物の割合の変化は遺伝子を追えば分かる。研究で明らかにしていく」と話す。

環境に配慮した視点も忘れない。少量で大きな効果を出せる農業資材として提供し、地球上で使われる肥料の量を減らしたい考えだ。肥料を作るエネルギーも軽減し、持続可能な社会の実現に寄与する。同社の液肥は脂質抽出後のミドリムシの残りかすを利用して製造する。本来捨てる物を原料としているだけに環境負荷は低い。

人口爆発による食糧難を迎えつつある地球で、野菜の食べられる部分を増やせる肥料のニーズは高い。人と地球に優しい肥料を目指し、試行錯誤が続く。(門脇花梨)

日刊工業新聞2020年8月21日

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