商品調達は生態系を守った農地から!森林破壊を防ぐ動き広がる

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牛・大豆関連企業、生態系配慮必要

国連食糧農業機関(FAO)の世界森林白書によると、熱帯地域で発生している近年の森林減少の約8割が農地転用が原因となっている。森林破壊を防ぐため生態系を守って生産した木材・パルプの調達が広がっている。同じように農地から供給される商品においても、森林保護に配慮した調達が求められている。

FAOの世界森林白書によると商業目的での農地転用が多い。アマゾン地域や東南アジアでは家畜放牧や大豆栽培など大規模な開発が目立つ。他にもインフラ建設、鉱山開発、都市化も森林減少の原因となっている。

また、焼き畑や熱帯雨林火災も拍車をかけている。木材・紙による破壊は全体の1割未満にとどまるという。

生態系を壊して開発した農地から商品調達を行わず、森林破壊の防止につなげる動きが広がっている。

森林保護の国際団体のフォレストトレンドは、森林破壊の抑制に貢献する企業情報を収集し、ウェブサイト「サプライチェンジ」で社名を公開している。同サイトによると大豆の調達に伴う森林破壊防止に配慮する企業は92社。食品メーカーが多いが、航空会社や製薬会社の社名もある。

牛製品の調達で森林破壊防止に取り組む企業は55社。食品だけでなく牛革関連の企業もある。

一方、木材・パルプは263社、食品原料や日用品に使われるパーム油は304社。木材・パルプ、パーム油は森林破壊防止を意識して調達活動をする企業は多いものの、牛・大豆は世界的にも取り組みの強化が求められる。

年平均331万ヘクタールの森林が世界で失われている。森林減少が続けば気候変動が進行し、異常気象が激化する。生物多様性が失われると、企業の事業活動にも影響が出る。人口増加に伴う食料需要も増えており、農地利用と森林保護の両立が問われている。

日刊工業新聞2020年8月7日

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