オンラインで手続き完結、芙蓉総合リースのファクタリング

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これまでのファクタリングサービスは面談などの手続きが必要だった

売掛金を簡便にいち早く手に入れられたら―。リース国内大手の芙蓉総合リースは、事業者のそうした要望の受け皿となるサービスに乗り出した。連結子会社のアクリーティブ(東京都千代田区)が7月に始めたオンラインによるファクタリングだ。医療事業者や介護事業者向けの新サービスで、これまで申込時に事業者へ求めていた面談や関係書類の郵送をなくし、審査を最短2日に短縮する。

ファクタリングはサービス提供者が事業者の売掛債権を買い取り、現金を先払いする仕組みの金融サービス。医療や介護事業者の場合、買い取るのは診療報酬債権、介護給付債権となる。

小口債権も対応

アクリーティブが始めた新しいファクタリングでは、事業者は専用ウェブサイト「メディケア イン」にアクセスすることで利用申し込みを完結できる。初めての申し込みであってもサービスを利用でき、さらに1000万円未満の小口債権にも対応する。

新型コロナウイルスの感染者が再び増加傾向にある中で、感染を心配せずに申し込める利点もある。商品設計時に意図したわけではないというが、時流を捉えたサービスだと言えるだろう。

事務負担を軽減

これまでのファクタリングサービス「FPSメディカル」は申込時に通常、1時間程度の面談を必要としていた。事業者は保険請求実績や財務情報のほか、社会保険診療報酬支払基金や、国民健康保険団体連合会といった請求先への請求データを郵送しなければいけないため、手間が生じていた。

オンライン申請により利用者、芙蓉総合リースともに作業性が向上する

IT導入に後れを取っている医療機関は、ただでさえ書類作業に追われている。その上に手間のかかるファクタリング申請の手続きが加われば、事務負担は大きくなる。これをデジタルに移行して効率化することで「サービスの利用をもっと増やせるはず」(小林洋史アクリーティブ執行役員)とみる。導入の敷居が下がり同社にとっても裾野が広がる。

また、これまで同社のファクタリングは病院向けの「大口債権に寄っていた」(同)のが実情だ。今回、小口債権に門戸を広げたのは介護事業者を意識しての要素が大きい。

介護分野を開拓

介護分野は急速に高齢化率が進むことで、事業者の増加が見込まれる。それだけに成長戦略に介護分野の開拓は欠かせないだろう。ただ、小規模な事業者が多く、介護給付債権の額も比較的小さい。サービス手数料は債権額に応じるため、1案件当たりの規模が大きい方が事業としては効率的だ。それがデジタルに移行すると、事業者だけではなく、申請を受ける側の作業も軽減できる。効率が上がり、小口債権にも対応しやすくなる。

新サービスの手数料は従来型と変わらない。それでも事業者の手間が省けることで「(トータルの)コストを削減できる」(同)とみる。同社は2021年度にファクタリングサービスの利用件数を現状比3倍に引き上げる考えだ。(編集委員・六笠友和)

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