代表取締役の不動産登記に倒産の兆候あり

エスエヌリレーションズ 資金繰り悪化でヤミ金利用

 エスエヌリレーションズは1986年9月の設立以降、大学や予備校などを経営する学校法人を中心にパンフレットやカタログなどの制作を手がけてきた。主にグラフィックデザインを手がけており、それ以外の工程は外部のコピーライターやカメラマンなどに外注していた。新聞や雑誌、テレビなど向け広告代理業も一部手がけ、2007年4月期に売上高約7億4300万円を計上していた。

 支払いにおいては、ファクタリングや先付け小切手なども利用しながら問題なく繰り回していたが、ここ数年の業績悪化から徐々に資金繰りが苦しくなっていった。

 広告代理事業では、広告枠を事前に押さえるために先に費用が発生する。特にテレビCMの枠ともなると数千万円にも上り、これを借り入れで対応していたことからその返済が負担となっていた。

 その中で、大口顧客との取引をなくしたほか、既存顧客の経費節減などの影響や競合の激化から受注も減少していた。

 16年末には、取引金融機関に返済猶予を要請、以降は元金の一部と利払いのみとなったが資金繰りは改善しなかった。こうなると、資金調達の選択肢は限られてくる。ファクタリングやノンバンクなど高利の借り入れを利用したが、それでも足りなくなるといわゆる“ヤミ金”にも手を出し、もはや立て直しは困難となった。今年に入り事業の継続を断念し、1月23日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 ちなみに、この間、借り換えを機にメーンバンクが変更されたが、そのタイミングで代表の自宅に新しいメーンバンクが根抵当件を設定している。

 メーンバンクの変更からは資金調達環境の変化が読み取れるし、代表の個人資産の担保提供は法人としての担保余力がないことを示唆する。不動産登記という公開情報からも資金繰り悪化の端緒をつかむことはできるのである。
(文=帝国データバンク情報部)

【会社概要】
(株)エスエヌリレーションズ
住 所:東京都新宿区新小川町5―1
代 表:長江 清一氏
資本金:5000万円
年売上高:約4億6000万円(16年4月期)
負 債:約5億8800万円



日刊工業新聞2018年3月20日

明 豊

明 豊
03月20日
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