「auペイマーケット」ポンタポイント統合で他社ユーザー拡大を狙う
KDDI傘下のauコマース&ライフ(東京都渋谷区、八津川博史社長)は、電子商取引(EC)モール「auペイマーケット」を運営する。KDDIのポイントサービスとの連携により、携帯通信サービス「au」の契約者に加え、他社ユーザーの取り込みも進めている。
auペイマーケットは総合ECサイトとして日用品や衣料品など3000万点を扱う。電子書籍などのデジタルコンテンツや、ポイントを使って自治体に寄付し、返礼品を受け取れるふるさと納税サービスなども取り扱っている。
国内の携帯電話市場が成熟する中、KDDIは金融やECなどの非通信事業を強化している。auユーザー以外の獲得に向け、5月に自社ポイントサービスをロイヤリティマーケティング(東京都渋谷区)の運営する「ポンタポイント」に統合。ポンタ会員と合わせて1億以上の会員基盤を生かし、ポイントが貯まりやすく、使いやすい場としてECを活用している。
具体的にはauペイマーケットでの利用に限り、ポイントを50%増量するキャンペーンを実施。八津川auコマース&ライフ社長は「ポンタポイントがどんどんたまることで、使い続けるモチベーションになる」と話す。新型コロナウイルス感染拡大によるオンラインシフトでEC市場全体が拡大する中、「同業他社よりユーザー数、流通規模ともに伸びている」(八津川社長)と手応えを感じる。
今後は自社が展開する飲食店紹介サービスとの連携による“コト”消費の拡充を検討。ユーザーによる出店者の評価制度も強化し、通信会社のサービスとして、より継続的に利用されるECを目指す。(苦瓜朋子)
日刊工業新聞2020年7月31日