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92年ぶりに元に戻るJR飯田橋駅のホーム、スキ間は思い出とともに消えていく

今日、新しい駅舎とホームが開業
92年ぶりに元に戻るJR飯田橋駅のホーム、スキ間は思い出とともに消えていく

1928年に牛込駅と飯田町駅を統合し中間の急曲線部に今の駅ができた

JR中央線飯田橋駅(東京都千代田区)の移設工事が完了し、12日に新しい駅舎とホームが開業する。1928年(昭3)に牛込駅と飯田町駅を統合し、中間の急曲線部に今の駅ができた。それで電車とホームのスキ間が大きく、転落の危険があった。

かつての牛込駅の場所に92年ぶりに戻すことで、曲線ホームの不安を解消する。地元の人によれば、移設は30年も昔から検討していたそうだ。東西の出口の商店街の間で“綱引き”があったろうか。

現在の飯田橋駅は快速も停車しないが、もともとは中央線の前身である甲武鉄道の始発駅。80年代まで千葉方面に向かう一部電車の始発駅だったことをご記憶の方もいるだろう。

隣接する飯田町貨物駅は都心最後の貨物専用駅。城西地区の地場産業である印刷・出版向けの「紙流通センター」があった。日刊工業新聞の印刷工場も、その目の前だった。今は貨物駅跡は再開発され、ビル群になっている。

都心のインフラは日々に姿を変える。飯田橋駅のホームのスキ間も思い出として消えていくのだろうか。発表によれば、きれいな弧を描く旧ホームは、そのまま新ホームへの通路として利用するとか。ちょっとした記念物になるのかも。

新西口駅舎完成イメージ(JR東日本提供)

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