トヨタがAI・大量データ活用で車修理の見積もり時間8割短縮、販売店に提供へ

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人の判断に頼っていた工程の一部を自動化

トヨタ自動車は人工知能(AI)やビッグデータ(大量データ)技術を活用し、自動車修理の見積もり作成を効率化するシステムを開発した。板金や塗装修理における損傷部位の特定や修理方法の選定など、人の判断に頼っていた工程の一部を自動化。見積もりの作成時間を平均で8割短縮できるという。12月から全国のトヨタ系販売店に提供する。

開発した「エスパートプロ」は、見積もり作業の一部を自動化できる販売店向けのシステム。まずはハイブリッド車(HV)「プリウス」「アクア」や、スポーツ多目的車(SUV)「C―HR」「ハリアー」など、売れ筋の13車種に対応する。今後も車種を拡充し、将来は作業の全自動化を目指す。

損傷部位の画像をシステムに入力すると、AIが数万枚に上る過去の損傷画像と照らし合わせ、損傷部位やその度合いを特定。これをもとに作業者が損傷面積を算出する。トヨタが用意した車両構造情報を活用することで、外板だけでなく損傷部分の内部部品も同時に把握でき、作業効率を高められる。

これらの情報をビッグデータ技術で分析し、修理方法を導き出す仕組み。見積もりを自動化するソフトウエアはすでにあるが、車両構造情報など自動車メーカーならではの機能を付加することで、システムの高度化につなげた。

軽量化素材や新たな接合技術の導入、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる次世代技術の台頭などを受け、修理見積もりにも高度なスキルが求められている。

新システムは作業者の熟練度によってバラつきがあった見積もり精度を平準化でき、経験が浅くても作業が容易になるという。女性や高齢者など働き手の多様化を促進し、販売店の人手不足解消につなげる。

日刊工業新聞2020年7月8日

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