地デジ波をスマホでリレー、人とすれ違うことで災害情報が手に入る

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アトラクター(長野県軽井沢町、濱田淳社長)とテレビ信州、構造計画研究所は、テレビの放送電波とスマートフォンの無線通信を組み合わせた災害情報伝達システムを構築した。地域ごとの防災情報を電波に乗せて公共施設に発信、その情報をスマホ同士の無線通信で“リレー”のように多くの人に伝達。地震や台風などの自然災害に伴う通信障害でスマホなどがつながらない場合も、被災地の住民に情報を素早く届けられる。今後、自治体などへ売り込む。

公民館などの避難所に専用の受信機を設置し、放送電波で受信した災害情報を大型モニターなどで公開する。支援物資の支給時間や場所など、住民が本当に必要な地域ごとの情報を適時提供できる。また受信機から200メートル以内にいれば、この情報をスマホでも受け取れるため、避難所のモニター付近での人の密集を避けられ感染症対策にもなる。

さらに近距離無線通信「ブルートゥース」を利用したスマホ同士の直接通信で複数のスマホをリレーしながら一人ひとりに情報を届けることができる。すれ違ったスマホ同士で防災情報を共有する仕組みで、結果的に公共施設から離れた場所の人々にも伝わる。

アトラクターとテレビ信州が開発したテレビ放送と同時に地域の災害情報をテレビ電波で発信できる「ナローキャスト放送」という独自の仕組みを利用。スマホ同士のリレーシステム開発は構造計画研究所が担当した。

テレビの放送電波を利用した情報通信ネットワークは強靱(きょうじん)で大災害でも利用できる。さらにテレビ局からの一方向の通信は、デマやなりすましなどがないといったメリットがある。

日刊工業新聞2020年7月3日

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