桜島の溶岩を活用したプラズマコーティング技術、金属類の変色やアレルギー防ぐ
【鹿児島】鹿児島県工業技術センターは、桜島の溶岩を利用するプラズマコーティング技術を開発した。溶岩にイオン化したガスをたたきつけて発生した超微粒子を薄膜にする。加工には既存のプラズマコーティング装置が使える。
薄膜は無色透明で基本の厚さは約1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。親水性や赤外線放射率を高めるなど溶岩の性質を生かしてコーティング対象に機能を付加する。さまざまな製品への実用が期待できるという。
アクセサリーや時計などの金属類の場合、変色やアレルギーを起こしにくくする。繊維にコーティングすれば汗を吸収しやすい素材ができ、衣類や下着のほか速乾素材と組み合わせたスポーツウエアに生かせる。また、赤外線放射率を上げる効果があることから赤外線ヒーターや調理器への加工も期待できる。
同センターでは「特許を取得したので、今後はビジネス化に向けてさまざまな企業と連携して新製品開発につないでいく」(久保敦副所長)としている。
日刊工業新聞2020年6月12日