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22年度開業の「ジブリパーク」、愛知県が鹿島と結んだ注目の建設方式とは?

22年度開業の「ジブリパーク」、愛知県が鹿島と結んだ注目の建設方式とは?

「ジブリの大倉庫エリア (C)Studio Ghibli」(愛知県発表資料より)

愛知県は愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)で2022年度の開業を目指しているテーマパーク「ジブリパーク」の建設工事で、鹿島と契約した。「ジブリの大倉庫エリア」「どんどこ森エリア」「青春の丘エリア」など全5エリアのうち22年度に開業予定の3エリアで鹿島と工事請負契約の仮契約を結んだ。契約額は106億5790万円。

ジブリの大倉庫エリアには企画や常設、映像の各展示室やカフェ棟を設ける。どんどこ森エリアには社務所や散策路、青春の丘エリアは「地球屋」「猫の事務所」などを建設する。

「ジブリパーク」では同県の事業としては初めてECI方式を導入する。ECI方式は、設計段階から施工者が関与することで施工の数量・仕様を確定し、発注時に詳細仕様の確定が困難な事業に対応する契約方式で、採用が増えている。

熊本地震の被災地で実施されるトンネル工事で、国の直轄事業として初めてECI方式の導入が決定。特に難工事での適用に効果が期待されている。

発注者の自治体は入札不調による事業遅延を避けられる。設計者は設計の見直しや代替案の検討を早期に行えるほか、施工者も資機材や労務が必要なタイミングを把握でき、早期着工が可能となる。一方でECI方式は、工事契約金額決定時に競争相手がいないため競争性が働きにくいという指摘もある。

日刊工業新聞2020年6月9日

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