四半世紀使った社名を変更したスノーピーク、強化した「ブランド力」

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スノーピークの創業は1958年で、71年以降は四半世紀にわたり「ヤマコウ」という社名で事業を展開していた。当時は釣り具なども販売しており、商品の領域ごとにブランドやロゴマークを定めていた。

96年にはアウトドアブランドとして知られていたスノーピークに社名を変更し、事業の選択も進め、キャンプ用品に集中する。これを機に本格的に取り組んだのがブランド力の強化だ。

事業は80年代後半に転換期を迎え、アウトドアをライフスタイルとしてとらえ直し、家族のきずなを強めるためのキャンプを提唱する。それを具現化するため、自動車を利用したオートキャンプという新たな領域を切り開いていく。「おしゃれキャンプ」という概念も徐々に浸透し、日本発となるキャンプ文化の先導役を担っていった。

ヤマコウ時代は、スノーピークのロゴにアルファベットの大文字を取り入れていた。欧米から入ってきたアウトドアブランドは大文字を使用するケースが主流だったので、それを踏襲した。

社名を変えブランドを一本化した後は日本文化という側面を強調するため、ロゴの文字を柔らかい小文字に切り替えた。

選択と集中を進めたスノーピークは、キャンプ・アウトドアブランドの追求を最終的な経営目標としなかった。目指したのは「自然指向のライフスタイル」をテーマに掲げ、キャンプ・アウトドアに限らず一生にわたって寄り添えるブランドにすることだ。このため働く、着る、食べる、住むという行為と自然指向の掛け合わせという切り口から、「事業領域の拡大を推進している」(高井文寛副社長)という。

法人向け事業のスノーピークビジネスソリューションズでは働き方改革という視点を踏まえ、アウトドア研修などのサービスを提供している。他の事業はアパレルやレストランの運営、マンションの監修などがある。

スノーピークのロゴには雪の結晶を意味するアスタリスクマークがしるされ、放射線の形状をあえて少しずらして表現した。そのブランドデザインには、「会社として未完成ではあるが、事業領域の拡大などによって完成を目指す」という思いを込めている。(秋山浩一郎・デロイトトーマツベンチャーサポート第4ユニット)

日刊工業新聞2020年5月29日

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