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目立つ“半分出社"、在宅勤務のさじ加減は?

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言解除を受け、企業が感染防止策を緩和する動きが続く。ただ全面解除とはいかず、事務部門で出社人数を5割程度に抑えるなどの対応が目立つ。

住友電気工業は6月以降、事務部門は在宅勤務を組み合わせて出勤率を最大50%程度に抑える。製造部門は従来通り各事業所で対策し、稼働を維持する。国内出張は原則延期または中止を継続。会議は大人数の開催は自粛し、テレビ・電話会議を利用する。

リコーは、原則在宅勤務の方針を一部緩和した。在宅勤務の推奨を維持する一方で、本社含む東京都と神奈川県にある事業所4拠点の出勤率を最大5割まで認める。現状の出勤比率は1割にとどまっているという。

ニコンも原則在宅勤務の措置を6月1日付で解除する。当面は出社人数を最大5割程度に抑える。全従業員に対して出勤前の検温を指示し、微熱や軽い風邪症状でも出社を禁止する。在宅勤務やコアタイムを設定しない「スーパーフレックス制度」の活用や海外出張の原則禁止、ウェブ会議システムの活用などは今後も継続する。

「対面の議論は必要」(三菱電機社長)

三菱電機は新型コロナウイルス感染拡大防止対策として講じていた原則在宅勤務の方針を一部緩和する。東京本社地区は従業員の出勤率目標を緊急事態宣言期間中の2割から5割へ段階的に見直す。25日の政府による宣言全面解除を受けて、経済活動再開に向けた新しい段階へ対応した運用に移行する。

26日、日刊工業新聞とのオンライン取材に応じた三菱電機の杉山武史社長は「数人でも対面の議論が必要なケースもあるので一部緩和する」と説明し、同日付で全社に対し原則在宅勤務を一部緩和する旨の通知を出した。今後は在宅勤務が可能な業務は引き続き在宅勤務を活用しつつ、出社が必要な際は感染防止策をとった上で全国各拠点への出社を許可する。

生産拠点については事業運営上不可欠な出社を引き続き認める。「工場は従業員同士でソーシャルディスタンスを空けるか、できない工程はマスクやアクリル板を設置しており、その対策は維持する」(杉山社長)と接触削減を徹底する。

宣言期間中の同社は本社や支社、一部工場の間接部門の出勤率を2割以下に抑えられた。段階的に緩和するが、今回の経験を参考にして在宅勤務やオンライン会議のさらなる活用を進める。「治療薬やワクチンが開発されるまでは(新型コロナ感染拡大)第2波、第3波が来るのに備えて、やれることは全部やっておく」(同)と感染防止策を続ける。

日刊工業新聞2020年5月28日/29日

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