医療者・患者の感染リスクを減らせ!オンライン診療で二次感染を防げるか

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ビデオ通話などで診察する「オンライン診療」(メドレー提供)

新型コロナウイルスの二次感染を避ける手段として、オンライン診療が注目を集めている。ビデオ通話などを利用するため医療従事者と患者が対面せず、感染の危険性を下げられる。一方、患者から得られる情報が限られるため対面診療との使い分けも必要だ。新型コロナ流行の第2波を回避するため、対面診療との柔軟な使い分けが求められる。

外来が2割減

「前年の同時期に比べ、2割ほど外来患者が減っている」と小野内科診療所(東京都江東区)の小野卓哉院長は話す。新型コロナの感染リスクを恐れ、外来を受診する患者が減る中、同院はオンライン診療を活用して診察を継続している。

ビデオ通話による問診を通じ、患者は自宅で診察を受ける。同院では新型コロナに該当しない症状の患者が主な診察対象だ。「慢性疾患や基礎疾患のある患者も遠隔で診察でき、安心感がある」と小野院長は話す。

医療崩壊回避

オンライン診療は医療従事者と患者の双方が新型コロナの感染リスクを減らせるため、医療崩壊の回避に貢献する可能性があるが、課題もある。「聴診や触診、採血などの検査や注射・点滴ができない」と日本遠隔医療学会の近藤博史会長は指摘する。また、疾患によっては診察当初は軽症に見える場合があり「経過を追う中で対面診療に切り替えることも必要になる」と近藤会長は説明する。

政府は今年2月からオンライン診療の規制緩和を進めている。初診の解禁などにより医療機関の活用は進んだが、対面診療を完全に代替する手段にはならない。初診は遠隔で診察し、症状が改善しない場合は対面に切り替えるなど柔軟な使い分けが必要だ。

ICTフル活用

「ビデオ通話以外の部分でもICTの得意分野を対面診療に組み込めれば、さらに普及が進む」とオンライン診療サービスを手がけるインテグリティ・ヘルスケア(東京都中央区)の園田愛社長は予見する。患者の心拍を遠隔で確認できる聴診器など、ICTを活用した医療機器が国内で開発されればオンライン診療の可能性は拡大する。

普及には医療制度の改革も不可欠だ。「欧州に比べ、日本は電子カルテ連携の医療ICT基盤の整備が遅れている。政府は整備を後押しする政策を出すべきだ」と日本遠隔医療学会の近藤会長は指摘。二次感染を避ける手段として活用が進むが、新型コロナ収束後も診察手段の一つとして根付くか注目したい。(森下晃行)

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オンライン診療

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