ノロウイルスも除菌できる電解水を自家製スプレーに、クボタの一石二鳥の業務用空気清浄機とは?

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ピュアウォッシャーは微酸性電解水を取り出せる

年間連結売上高2兆円到達を視野に入れるクボタ。グローバル企業としてトラクターなど農業機械のイメージが強いが、ニッチな新分野も開拓している。それが2016年発売した業務用加湿空気清浄機「ピュアウォッシャー」。同社が事業領域に掲げるのは「食料・水・環境」で、同機種もその領域に沿った製品だ。

同社の空気清浄機は水道管とつなぎ、自動給排水することで「ミストを使った空気清浄ができる」(山崎祐一精密機器事業ユニット長)のが特徴だ。人体に無害でありながら殺菌力を備え、アルコール消毒では効きにくいノロウイルスも除菌できる微酸性電解水を生成できる。

発売から約4年間で累計700台を販売した。直接的な効果は確認されていないが、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症への対策でも応用できる。ミストによる約200平方メートルの大空間の室内環境整備への貢献と自家製の“除菌スプレー”を作れる点が注目されている。

除菌スプレーはマスクとともに品薄が続く。だが、ピュアウォッシャーは一度に0・5―20リットルまで必要な量の微酸性電解水を取り出せる。これを別途容器に入れることでテーブルや手すり、室内で手が触れる部分における除菌スプレーとして使える。また、どんな室内空間にも調和する柔らかさを持たせるようにデザインした。17年の第47回機械工業デザイン賞で「日本産業機械工業会賞」を受賞するなど評価が高い。

新型コロナ対策ではクラスター(集団)を発生させない備えが欠かせない。従来は病院、介護施設で採用が多かった。オフィスへの採用増を目指すが「スポーツジムでも採用が見込める」(山崎ユニット長)とみる。

今後は増産体制の構築とともにオフィス向けの営業を強化する。自前の営業に加え、オフィス向け販路も大手機器販売会社などとのパートナー連携を増やす考えだ。(大阪編集委員・林武志)

日刊工業新聞2020年4月17日

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